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Déjà 10 ans もう10年 の会

私が山のガイドの仕事を見つけて、留学しにフランスに来たのが、1996年7月。
最初はトゥールの学校で9ヶ月、
その後はオルレアン大学でさらに2年、フランス語を勉強しました。

ある日、オルレアン大学の廊下を歩いていると、
黒板に日本語が書かれているお教室を発見。
日本人の先生が教鞭をとっていらっしゃいます。
足が自然とそちらに向き、初めて先生にお声をかけさせていただきました。
それが今も私の大切な先輩、Cさんです。
その後、とても親しくさせていただいて、
フランスでの生活が当時ですでに20年以上経っていた彼女からは、
本当にいろいろ教えていただきました。
当時の私には、オルレアンに他に親しい日本人の方などいらっしゃらず、
クマとけんかした晩、飛び出して、泊まらせてもらえるのは、
彼女のうちしかありませんでした。
「フランス人にそんな日本人みたいに《努力》なんて言葉使ったってだめ、
《リラックス》とか言わないと」...とか、
私の中での彼女の名言録は分厚いものです。

もうひとり、主任を勤められていたパリから来ていた先生は、
先日の山行に私を誘ったTさんを紹介してくれた、
今は私のパリのお宿のひとつでもある、Hさんです。

2人の先生の授業には毎日お手伝いに参加していたので、
当時、私と一緒にフランス語を勉強していた日本人のよし君や、
日本語課のフランス人の学生さんたちとは、楽しい思い出がたくさんあります。

その後、彼らも無事大学を卒業して、優秀な何人かは日本へ渡り、
今は立派に東京で仕事に就いています。えらいぞ~。
私が帰国の際には、特に親しかったニコラとマチュウに
自由が丘で久しぶりに会ったりしましたっけ。
日本語もすごく上手になっていて、涙ものでした。

それから数年、しばらくご無沙汰だった、ニコラとマチュウから、
この夏の初めにメールをもらいました。
タイトルは「Déjà 10 ans」。
確かに。
数えてみたら、、早いものであれからもう10年が経ちました。
当時の学生達も、みんなも30歳を向かえ、、しっかり社会人として、
マチュウとニコラに至っては、日本の社会の中で、
ガイジンとしてさらに苦労をしているようです。
よし君は立派なもので、以前はフランス語ができる若い外交官の登竜門として、
フランス語圏のまずはアフリカ、ギニアに赴任が決まり、
何本もの強い予防注射してふらふらした時以来でしたが、
その後他の国の赴任を経て、
今は立派に、フランスマルセイユの日本領事館の広報担当だそうです。エライッ!

メールの内容は、当時一緒に大学で出会った人たちが集まりましょう というもの!
そういうことを企画して音頭を取るのもまたえらい!

みんなで検討の結果、9月の1日-2日にかけての土日、
オルレアンから離れたソローニュの森の中で、会が行なわれることとなりました。
当時の先生お二人は、私からお誘いしました。
Hさんはパリだし、Cさんは今はレンヌで教えていて、
お二人ともご多忙で、なかなかいらっしゃるのは大変です。
なんとか説得して、やっとCさんが来てくださることになりました。

うちから車でソローニュの森の中へ南下します。
途中Cさんの知人を訪ねて、動物園のあるサンテニャンにも寄ります。
日本人の奥様との素敵な出会い。
はじめましてなのに、話が弾みますが、
ニコラとマチュウの会にも行かないといけません。
再開を約束して、早々にお暇して、会が行なわれている小さな村に向かいます。

行ってみると本当に小さな村。
ナビゲーターシステムだと、到着の場所が何にもない森の中の道路上。
ずっと手前に車道でない道との分岐があって、そこを入っていくようでした。
舗装されていない道を行くと、本当に奥深いところに、一軒お家があります。
マチュウのお祖母さんのお家だったところだそうです。

マチュウとマチュウのお母さんが数日前から泊り込んで、
いろいろと準備をしてくれていたそうです。
私も数日前にマチュウのオルレアンのお宅に行ってお目にかかりましたが、
何か日本のものを作ってきて...というリクエストにお答えして、
白菜のお漬物と、ひき肉の肉じゃがをたくさん作って持っていきました。
そうそう、いただきものの虎屋のようかんも。
日本に留学していた元学生たちは大喜び、
でもニコラやマチュウは日本から来たので、そんなにうれしくないのかもね。
一番うれしかったのは、マルセイユで一人暮らしの、よし君みたいでした。
ようかんほうばっていました。
大使館とか領事館とか、そういうものたくさんあるかと思ったけど、
そんな生活じゃないらしいです。


ニコラやマチュウやよし君のほかに、日本語を習っていたのはセリヌとヴァンサンだけ。
ほかは彼らの当時の大学の友人。
なので大学から英語の先生も見えました。


みんなからは私のブログに写真を載せることの承諾をもらっています。

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ちょっと蒸し暑い日で、火をたくので汗だくのマチュウ君。
お母さんが用意してくれた、串焼きマリネをこの火で焼きます。



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ニコラが日本に住み始めて間もない頃、
「ボクの彼女はtchierisuさんと同い年...」と聞かされて驚いたものでした。
困難を乗り越えて、この度やっと入籍した二人。
とっても幸せそう。おめでとう!本当によかったね~。



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台所で話し込んでしいた、よし君とCさん。
よし君、貫禄付いたよね。人のこと言えないけど。
Cさんは全く10年前と変わってないですね。



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忘れてならない、ヴァンサン君。
パリ大で勉強した後、日本での数年間の生活を終えて、
今は日本から当時の何倍も留学生が来るオルレアン大学に舞い戻って、
お仕事しているそうです。
オルレアン大学と交換留学の契約を持つ日本の大学は当時2つでした。
でも今は10個くらいあるのかな?
働きかけて、ここまで増やしたのは、ひとえにCさんの偉業のお陰なのです。



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私が大学で勉強を始めた前の年にフランス語を習っていた
日本人A君の顔も見えます。
わざわざ日本からやってきてくれたのです。



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最初は暑かった火の周り、夜が更けると共に、皆が集まってきます。
セリヌの隣は彼女のご主人。
日本で知り合った二人、二人とも日本語べらべら。
大阪や札幌などでお仕事していたそうです。
今はご主人がベルギーでトヨタの系列会社で働いているので、ブリュッセル在住。



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典型的なソローニュのお家。
中は骨董市の香りに包まれています。



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よし君とニコラって、どうしてこんなおかしなコンビなんでしょうかね?
当時のまんまの幼さで、じゃれあっていました。
ニコラが「かんけーない!」って日本で流行っているのをジェスチャー付きでやっても、
マルセイユで暮らすよし君には、何のことやらさっぱり????
そんなところも笑えました。


本当は全員がお泊りの強制でしたが、Cさんがロンドンでの学会を間近に控え
お名残惜しいけど、我々は家までとりあえず帰らないといけません。
真夜中、ソローニュの森の中の運転は、とっても注意が必要。
動物がたくさん出てくるのです。
ちょっと横道に逸れて、鹿の雄たけびがまだか聞きに行きましたが、
まだ早すぎて静かなもので、
大きなイノシシがゆっくり茂みに隠れるのが見えただけでした。
おどかしてごめんね イノシシ君(チャン?)。


短い時間でしたが、久しぶりにみんなに会えて、とっても楽しかったです。
ニコラとマチュウとよし君、企画してくれてありがとう。
幹事お疲れ様でした。
また10年後を楽しみにしています。
by tchierisu | 2007-09-03 00:13 | フランス生活