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ヨーロッパアルプス。
スイスとイタリアにまたがる、標高4184mの峰を中心に広がる、グラン・コンバンという山。
2007年7月最終週、
その山の周りを歩く、トゥール・デ・グラン・コンバンを6泊7日でやりました。
オーガナイズはフランスSAMOINSサモワンスのアソシエーション CAIRNケルン
参加動機は、
7キロまでの荷物を、MULET=騾馬が運んでくれる というのに惹かれたためです。(笑)

写真の選択・縮小作業などが手間取り、
この記事をアップするのがとっても遅くなってしまって、
戻ってから早いもので、1ヶ月が経ってしまいました。
でも、これを締めくくらないと、私の夏が終りません。


《トゥール・デ・グラン・コンバン 第1日目 2007年7月22日(日)》

FIONNAY 1491m ~ Cabane de Chanrion 2462m
標高差 / 登り 1115m  下り 122m 


『皆さん始めまして!シャルロ、よろしくね!』

一般的に紹介されているトゥール・デ・グラン・コンバンの行程は、
スイスのマルティニからグランサンベルナール峠に抜ける
Entremontアントルモンの谷にある、ブルグサンピエールから出発することが多いようです。
でも今回私が参加したCAIRNケルン主催のトゥール・デ・グラン・コンバンは、
メインのグラン・コンバンを望む景色がクライマックスの最終日に来るように、
マルティニから入るもう一つの谷、バーニュの谷の奥、フィオネイからの出発です。

18日からのシャモニでの2日間の充分でない訓練の後、
ケルンとの集合場所フィオネイの、其の名も「ホテルグランコンバン」に前日21日に入りました。
シャモニからの道すがら、パリからマルティニに電車で到着した、
今回私をこの大アドベンチャーに誘ってくださった、Sさんをピックアップ。
Sは彼女の苗字なので、今後みんなは下の名前で呼んでいたので、
ここから私もTさんと名前を変更いたします。

マルティニでは、二人でCO-OPに行って、
スイスに入ってからでないと買えなかった地図や、お菓子などの行動食などを買い揃えました。

そして一路フィオネイに向かいます。



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↑ 21日のホテルグランコンバン。

私たちが着いた時、ケルンの一つ前のツアーを終えた人たちが、食事をしていたようでした。
1週間後、ここにこうして無事に着いて、
喜びと共に過ごす時は、私たちにやってくるのでありましょうか?

夕食時にはいくつかのグループがいましたが、
ひとつのグループはその後一週間、ずっと一緒に行動していました。
食事が終った後、ホテルのオーナーが、あるご夫婦を紹介して、
彼らも同じグループで、明日から参加されると教えてくれました。
はじめまして、どうぞよろしく~。

私は前日のモンタンベールからの下りのせいで、足がえらく筋肉痛でした。
まだ始まってもいないのに、寝る前には、Tさんから
マグネシウム入りのお薬を分けていただいたり.......
先が思いやられます。


さて、翌朝、22日日曜日。
前日の雨と霧の天気が、今朝は見事に晴れ渡りました!
集合はホテルの前に10時半です。
Tさんは村の教会で、まだミサが始まってなかったのですが、
そこまで行って、私の分までお祈りしてきてくれました。

そろそろ10時半。
私たちはホテルの代金を払ったり、キッチンでテルモスにお湯を買ったり...
そわそわ....
ふと見ると、通りの向こう側に人が集まっています。
どうもあれが私たちのグループのようです。

そして、少しすると、黄色いTシャツを着た大男が現れます。
これがガイドのピエールさんです。
よろしくお願いします!私は速く歩けませんので....と前振りもしておきます。


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ピエールが自分の車から出してきたのが、この赤い袋。
去年同じケルン主催でトゥール・ド・モンブランに参加していたTさんから、
騾馬に乗せる荷物は細長い赤い袋だと聞いていました。
100リットルの丈夫なゴミ袋に荷物を細長く詰めて、ギュウギュウ押し込みます。
できた袋は、ピエールが持ってきた秤で、正確に7キロ以下かどうかをチェックされます。
そこに配られた名札に大きく自分の名前を書きます。
6番が私のです、名前が見えますか?

私はフリースを入れたら7キロを越してしまうので、フリースは自分のリュックに付けました。
大きいとそれだけいろいろ入れてしまって重くなるので、
自分で背負うリュックは小さいタイプにしました。
後日お昼ご飯は分担して持っていくのですが、私はもうスペースがなくて持てないので、
いつも人に持ってもらって、ちょっと申し訳なかったです。

シャモニのKさんから、「Tシャツを毎日着替えるのなんか、日本人だけだ!」
と言われていましたが、やっぱり気持ち悪いですものね。
いくらすぐ乾く素材と言えども、途中で洗う気力があるかどうか...
靴下や下着だって、ぴったり日数分入れています。
重いのは、行動食のエネルギーバーなどでした。
あめもたくさん持っていたけど、Tさんの袋に入れさせてもらいました。


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ピエールが、
「じゃあ bestiaux(=家畜)を連れてくるか...」と川向こうの草原に去って行って、
連れてきたのがこの仔!
オス5歳の騾馬 Charlot シャルロ くんです!
きゃーかわいい!丈夫、頑丈そう!
思わず近寄って、なでなでしました。
もっと小さいのを想像していましたが、馬のように大きいです。
我々は13名+ピエールの14名、ひとり7キロの荷物なのでそれだけで100キロ。
他にシャルロ自身のための特別なとうもろこしとかの餌を積みます。
でも200キロの重さまで絶えられるそうなので、
120キロくらいにしておけば、彼は楽勝なのだそうです!
た・たのもしい~~。
それにしても、ピエールもシャルロと同じくらいの足の長さ。
歩くの速そうです~。


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みんなの赤い袋を積む前に、まずはシャルロに荷台を積みます。
そこに重い順から積んでいきます。

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逆さに積むことにもなるので、しっかりふたをしないとね。
それを上からゴムで留めます。
これだけ積むと、ちょっとかわいそうな気もしますが、そこは、彼のお仕事。
昨日見たグループもこのシャルロと一緒だったようです。
夏の間は毎週お仕事なのね。
でも山に行けば、たくさんおいしい草が食べられるので、
この季節労働もまんざらではないそうです。(シャルロ談?)



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10時半の集合でしたが、準備もあって、
いよいよ歩き始めたのは11時半過ぎです。
1時間ちょっと歩いて、
Bonatchiesseという、レストランがある小さな村を過ぎたところの草っ原で、
すぐにお昼です。
お昼の時はシャルロも荷物を降ろしてもらって休憩です。
みんなが分担して持っていた、生ハムやチーズやパンや果物が振舞われます。



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お昼の後、小一時間登って着いたのが、実は前日に車でロケハンを済ませていた、
Mauvoisinモーボワザン湖。
この写真は前日、お天気が悪かった時のものです。
とても高いダムがあるのですが、
その下からモウモウと霧が舞い上がってきて、怖いくらいでした。
右側に水が落ちるのが見えますが、その岩の中にトンネルがあって、
その中を通って、1日目の目的地、シャンリオンの小屋まで歩きます。
奥に見えるのが、Geléジュレ山で そこにイタリアとの国境 
Fenêtre de Durand フネートル(窓)・ド・デュラン があるのですが、
この時はまだ全くよく分かっていませんでした。
トンネルの中も登りで、途中の例の水が落ちているところは迫力でした。
トンネルから出た所で、既に標高2000mを越えました。

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前日と打って変わって、歩いた日は、こんなにいい天気!
湖畔のなだらかな登り下りの道をシャルロと一緒に歩きます。
荷物を積んでいるとよりいっそう、シャルロの動きが乱暴になるので、
シャルロの側にはあまり近づかないように、
すれ違ったり追い越す時は必ず山側を通るようにと指導されます。
荷物積んだシャルロが方向転換すると、勢いで谷に落とされかねませんものね。

歩きながらシャルロの匂いがいい匂いです。
ナタリの家で、犬の臭いより馬の匂いの方がよっぽどいい匂いよね
と、いつも話しているのを思い出します。
疲れた時にそんなことを思い出すと、とっても励まされました。


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随所で落ちてくる水が太陽に輝いて、なんて気持ちがいいのでしょう。



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今まで寒かったせいで、ここのところ、いっせいに全ての花が咲いた感じです。
ピンクのが、Joubarbe=センペルビブム
青いのが、Campanule=ホタルブクロ だと思います。
ジュバルブはほっぺたのひげって覚えなさい と、
その時グルノーブルから参加の女性二人組みから教わりました。
道すがら、こうして少しずつ一緒に歩くグループの人たちと、
お話しするようにもなって行きます。
Tさんとは、歩くリズムが違うので、一緒に歩くことは稀でした。
最初から、各自リズムがあるから、気にしないで別々行動にしましょうね...と言ってありました。
そして夕方、それぞれが一緒になった人たちの情報を、日本語で交換し合うのです。
みんなが分からない言葉って、こういう時便利...


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ゆっくり景色の写真なんかを撮りながら、一日目ゆっくり快適ハイキングです。
みんなてんでバラバラに歩いているよね。
フランス人らしい...
5キロに渡るモーボワザン湖もそろそろ終わり。
左奥に先ほどの水の吹き出し口が分かるかな?
一番奥がダムです。

ここからが、450メートルくらいのこの日最後の、シャンリオン小屋までの登りになります。
一日の最後に登るのって、とっても疲れます。
この時も、とても苦しかったけど、これからの数日間の苦しみと比べたら、
もう覚えていないくらい楽なものだったようにランク付けされます。



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やっとこさ着いた シャンリオン小屋。
みんなさっさか登って、とっくに着いていました。



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シャルロもとっくに着いて、荷物を降ろしてもらっていました。
さっそく硬くなったパンをもらって ご機嫌。
でもさっき上り始める前、
ピエールの言う事を聞かないで、ひとりでたったか歩いて行っちゃって、
捕まえようと思っても逃げたりして、まるでオオキミみたいでした。
一日目はまだあまり知らないピエールに、ちょっとこうして反抗して見せるのだそうです。
ビニールの袋をがさがさと音をさせて興味を引いて、やっと手綱を捕まえられました。
悪い子ですね~。



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小屋の反対側もきれい~。
小さな湖はシャンリオン湖。
明日の朝はあっち行くのかしら?(←まだよく分かっていない。。。)


この小屋にはシャワーはありません。
ミネラルウォーターはなくて、水道の水がきちんと検査されてて合格なのだそうで
夕食の水差し用にも、それを自分達で汲んで飲んでくださいと言うことです。
ちょっと不安ですが....
他のテーブルには、夕べホテルに泊まっていたグループもいます。
夕ご飯は、まずスープ、おいしかったけど、
次のお肉は、さっきのスープ作るのでだしが全部出てしまったのでは?というような、
靴の底みたいに硬くて、私はいただきましたが、食べない人もいました。
デザートはフルーツサラダ。
誰かがワインを頼んでくれて、ちょっといただきました。

小屋はマッターホルンの肩の小屋、ヘルンリヒュッテと同じテイストでした。
たくさん山屋の来るスイスの山小屋はこんなもんという私のイメージなので、
抵抗ありませんでしたが、
Tさんにとっては「きれいでない小屋...」という評価でした。
実際今終えてみて、ここが一番よろしくなかったです。
日に日にだんだんよくなっていったとでも申しましょうか...


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夕ご飯後、地図を確認して、もう一度。
向こうに見える山がジュレ山 3446M。
まだ夕日刺す下の雪渓のところが
Fenêtre de Durand フネートル(窓)・ド・デュラン、イタリアとの国境。
明日の朝はすぐ下の小道を降りて行って、あそこまで上りかえします。

ピエールからアナウンス。
去年とってもゆっくり歩くグループと、翌日の行程に11時間かかったそうです。
出発前に予告されている場所と違うルートで違う場所に向かいます。
時間も大幅に伸びます。
パンフレットに、難しく、時間も長く書いていると、確かにお客さん誰も集まりませんものね。
でもこんなこと日本人向けツアーならクレームです。
でもフランス人にはこんなのざらだそうです。
なので、翌日の朝食は5時半!
テルモスは前の晩から出してお湯を頼んでおきます。



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シャルロ、今日はお疲れ様でした。
明日もどうぞよろしく励ましてね。
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by tchierisu | 2007-08-31 02:22 | 山歩き