カテゴリ:クロスステッチ( 46 )

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LANARTE キット
『小鳥』 15x20cm
生地 : 綿100% 27ct


久々のクロスキット過去作品の発表です。
そんなにたくさん仕上がったものがある訳ではないし、
新しい作品はそうそう仕上がらないので、
すぐねた切れになるのを恐れて、小出しにしております。(笑)
前回では、クリスマス用の作品をリアルタイムでお届けしましたが、
私のクロスステッチの歴史で行くと、今回のこの作品が本来の4作目になります。
自分の記録用に、ちょっとこだわってみます。

これは、今までアイーダ生地ばかりに刺していたのですが、
次にやりたいものがリネンだったので、その練習用にと
小さいキットを見つけて、21ユーロで買ってきて、刺してみたものです。
いまやミクシィで、LANARTEが、オランダが誇る世界に名を馳せる
立派な刺繍デザインメーカーだということを知りましたが、
当時はDMCをはじめとするフランスものの存在しか知らなくて、
たいしたものではないと思ってしまっていました。
私もLANARTEを刺していたのね~ と今改めて驚いています。
 
このキットを選んだ理由は、アイーダでない生地で簡単なもの、という第一条件の他に、
小鳥さんのモチーフもかわいかったですが、
何よりも生地のバックに、もうニュアンスがプリントされていて、
そこに刺していくというのが魅力でした。
バックステッチの小枝の様子も繊細で、後ろのプリント柄とマッチして、
思わぬ深みのある作風に仕上がって結構満足です。

これを刺していた頃は夏の暑い盛りで、
みんながうちのプールでジャブジャブしている横でも、私は泳がずにひとりチクチクして、
クマのお母さんから「えらいわね~」と褒められて
うれしがっていた思い出が、刺し込められています。

問題のアイーダでない生地にはじめて刺した感想は、
最初は2目づつ数えるのが大変でしたが、何でも慣れですね。
麻でなくてコットンで、目がちょっと詰まっていて、
間違えてつじつま合わせしているのを、本人がじーっと今見つめると発見できます。
でも、まあ、初めてにしては美しくできた方だと、自画自賛です。

小さな作品なので、最初からトラディショネルなムードで、
オバールの額に入れたいと思っていました。
でもわざわざパリの額屋さんに頼むほどの代物でもないしということで、
いつも行くオルレアンの額屋さんに行ってみました。
でも、その時オバールでちょうどいい大きさのものが、
まだ色が付いていなくて自分で色を塗る無垢のものと、
このゴールドしかありませんでした。
迷いましたが、色をまた自分で塗るのも億劫だと思って、
このゴールドの方にお願いしました。
思い入れのある作品なら、無垢のものを買って、自分で色を塗ったり、
こちらではPYROGRAVEURという、焼きごてのペンで
焦がしながらデッサンしていく方法で、何か描いても素敵です。
私はPYROGRVEURでエーデルワイスなどのモチーフを描いて加工してある、
山小屋風な木製インテリア小物が大好きです。
いつかやってみる課題にいたしましょう。(い...いつ?)

出来上がりはご覧の通りの、ベルサイユ宮殿顔負けのキンキラキンです。
とってもフランスっぽいかも...
刺繍を私にいざなったharumisanさんも、
「フランスの古いうちの寝室に飾ってあるものっぽい」(でしたっけ?)と言って
褒めて(?)くれました。 ありがとう。
今でもサロンのテレビの横に飾っています。

『よし!これでアイーダでないものも怖くないぞ~』 と自信になった作品でした。

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by tchierisu | 2007-03-07 22:59 | クロスステッチ


お久しぶりでございます。
12月の始め頃から、ブログの更新を全くしていませんでした。
師走は、日頃あまり忙しくない先生も走るという月で、
先生業を最近ちょっと再開した私もご多聞に漏ずそれなりに忙しかったのですが、
ブログにすら手を出せなかったのには、それなりの言い訳があるのです。

ミクシィのクロスステッチマニアックというコミュニティのイベント、
『クリスマス物を刺して、24日までに写真をアップして発表する』のために、
ここのところ、おおいに焦っておりました。
でも今日、写真をアップして、やっとのこと無事に発表を終えました。
ほんとうはこのブログには、今までの過去作品を順番に
もったいぶってちびちび小出しにお見せして行くはずですが、
今回はそんな訳で季節ものでもあることですし、特例でできたてを発表したいと思います。
これがこの作品。


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Lili points 『Recette de Noël』
207 x 206 points  34.5 x 34.3 cm


コミュへの発表と内容が重複しますが、こちらにも発表です。
イベント参加用には、その時丁度手がけていた小物を出すつもりでしたが、
まだ10月はじめだったので、インターネットでいろいろ探していると
あんまり大変そうではないこれを見つけました。

Lili points はフランスのクロスステッチのデザインメーカーで
刺繍キット屋さんで、ここ1~2年前から私は見かけるようになりました。
色使いなどポップな作風が斬新で、クラシックなものを好むお客さんとは違う客層だと
例のオルレアンのドレドールズハウスのお店の人が言っていました。なるほどね。
私はつぶれては困るドレドールズハウスにまず探しに行って、
そこになかったらネットで買うようにしていますが、
ダイアグラムと一緒に、金属のキラキラ星5つと、
ツリーのてっぺんに付けるプラスティックの赤い星1つが入ったセットを
お店で見つけて、アイボリーの麻布と、必要な7色の糸と一緒に買いました。
ダイアグラムと付属のオブジェのセットは11€80でした。

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『クリスマスのレシピ』と題されたこの作品。
これを選んだ理由のひとつは、書いてある内容がかわいかったからです。
レシピ風に意訳すると...

「きれいなクリスマスツリー1本に
オーナメント適宜、 
ひいらぎ少々と無数の星を加えます。
1人前に付き1枚の靴下を飾りに添えます。(万が一の場合に!)
たくさんのろうそく全部に火を灯し、目を閉じ そして
夢をみます...   ほらクリスマスのできあがり!」



Lili points からは レシピ物が結構出ていて、
本物の「クリスマスジャム」のレシピのモチーフを
ベンジャミンさんが刺していらっしゃるのを
彼女のブログ「365歩のマーチ」で拝見しました。
その通りに作ると、おいしそうなジャムでしたよ。

最初は文字を刺し始め、結構サクサク進んだので、これなら楽勝とタカをくくり、
途中ずいぶん怠けモードでした。
でも12月に入って、仕上げようと思っても、なんとまだまだ時間がかかりそう~(汗)。
写真見本は1本取り1目と書いてありましたが、私は2本取り2目で刺していて、
赤や白なんか、DMCの糸1束では足りなくて、買いに走りました。
結局1束半くらい使いました。
明記されているできあがりサイズをよく見れば分かるのですが、
簡単そうに見えたので、想像していなくて、思ったよりとても大きい仕上がりサイズです。

日頃締め切り間際まで何かを抱えているのが大嫌いで
何でも早めに提出するタイプの私ですが、
今回は悠長に構えすぎて、終盤は今の私の生活リズムにはそぐわない
コン詰めすぎるペースで刺しまくる羽目になりました。
目や腰が痛くて、何より寝不足で、疲れたよ~。
今の生活のコンセプトから外れてしまったため、
こんなイベントに参加なんかするんじゃなかったと
ちょっと恨めしく後悔する瞬間もありました。


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でも何とかステッチ自体は今週の19日火曜日の夜中に仕上がって、
手洗いして、乾かして、20日水曜の朝にアイロンかけをして、
午後には、付属のお星様を縫い付けました。
マリクレールイデの影響で、以前から、
今度のクリスマスものには、自分で白樺かなんかで額は手作りにしたいな~
と目論んでいて、それを実現するべく、
水曜日の晩は、疲れたクマをなだめすかして、
日頃から暖炉用の薪の中から見繕っておいた、きれいめで細めの白樺で、
ミッドナイト工作をしました。

まずは白樺をたてに半分に切り、角を45度に切って、合わせて、
裏をそれ用の90度に曲げる金具で留めて、のりを隙間に流して、一晩乾かしました。
作品自体は、ガラスだけのフレームを買ってきて、
作品の大きさに合わせて、台の板とガラスをカット。
そこにがんばって上手くぴんと張って後ろを強力テープを貼って留めました。
特に、モチーフの周りにぐるっとまっすぐラインがあるので、
強く引っ張ったところはそこだけその線がゆがんで目立ちます。
でも引っ張らないと、アイロンで取りきれない生地の皺が残るし...
まあ、なんでも慣れの問題でしょうが、
初めて自分で(クマも一緒だけど)額装したのですが、けっこう難しかったです。

出来上がったこの額、
どんなにきれいなものを探したとはいえ、やっぱり薪にする用だったので、
やっぱり皮が一部剥がれたり、傷がたくさん入っています。
でもその荒削りなリュスティックさが、この田舎生活にマッチして、
とっても気に入って、大満足の仕上がりであります。
達成感ひとしおであります。

とにかく写真撮影して、早いとこ発表しないことには、
どうにもこうにも落ち着かず、イライラが募ってしまうので、
上の最初の写真、実はまだ額とガラスがくっついていません。
何かいい方法を見つけて、これから落ち着いて、丁寧に仕上げたいと思います。

くまと楽しい工作の時間も持てたし、
今日は寒い屋外の撮影に、クマが一眼レフでがんばって撮ってくれて、
久々一緒のいい時間も持てました。
何よりのクリスマスプレゼントです。


このイベントのすごいところは、このコミュの管理人さんが、
みんなが発表したアップ写真を、外部のアルバム形式のブログに編集し直して
随時写真を貼り付けてくださっているのです。
ここに、みんなの絶賛のコメントも書き込めるという仕組みで、
私も今発表を終えて、やっと今までの皆さんの作品を改めてゆっくり拝見しながら、
コメントも楽しんで読んで、カキコしていけるという次第です。
そこに出ている皆さんの作品はすごい大作ばかり。
来年はこんなの刺そうとか、いろいろ参考になります。
とりあえずは、これから少しずつ刺繍でオーナメントを作って行きたいと思っています。
(思うだけ?汗)

一時は恨んだイベントではありましたが、(笑)
お陰さまで、新しい大きな作品を飾って、ノエルを迎えることができます。

ミクシィ始めて、よかったです。

Joyeux Noël à Tous !!!

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by tchierisu | 2006-12-24 03:59 | クロスステッチ

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Abécédaire du grand air
雑誌 『Ouvrages broderie』 Hors série No.9 Décembre 2002 より
195x163 points   27.8x23.2 cm
アイーダ生地 ; 7points/cm
           rustico Zweigart, coloris mastic aspect chiné



前回発表の、クマにプレゼントした3作目を裏でやっていた時の、
表でのオフィシャルな作品です。

クロスステッチにはまり始めて、
フランスのクロスステッチ事情はいかがなものかと、いろいろ注意してみると、
いくつも雑誌が出ているのが分かってきました。
いろいろ吟味の結果、一つの雑誌の定期購読を申し込みました。


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山好きの私は、このバックナンバーに山特集があるのを見つけて、
さっそく取り寄せ、その中のひとつをまず手始めに手がけました。
アイーダ生地も雑誌の最後のページから通販でメートルで買いました。
この作品に使ってもまだあまっていますが、
気に入ったリュスティックな茶色いぽつぽつが入ったアイーダなので、
またいつか使えること間違い無しです。


額は、当時パリで任されていたブティックの買い付けの合間に、
サンジェルマンデプレの知人の店に寄った際、隣に素敵な額屋さんを発見。
そこでリュスティックなバゲットを見つけて、私の作品に合わせて作ってもらいました。
「なるべく木に節目が入ったところを使って、
リュスティックさを強調してください」 とお願いしました。
今、時間が経って、ほこりをかぶってそれを払う時の感触もいい風合いで、
作品より額のよさが目立ってしまいます。(笑)

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自分が刺した作品をあらためてしみじみ見ていると、
刺していた頃の思い出が浮かんできます。
母がフランスに遊びに来ていて、電車がストで止まって、
一緒にパリオステルリッツ駅で待っていた時も、これを刺していたな~ とか...


真ん中のお花に1本取りの茎のモチーフが、
赤茶とからし色の彩りといい、
イタリアのアルプスから、マッジョーレ湖の方を旅した時のイメージが何故か広がります。

ウサギもいるし、
よく高ーい岩の上にいるのをハイキングの際に見かける、
アルプスに生息するシャモワもいます。
エーデルワイスの柄の突いた、杖。
今度山行ったら買ってこようかな?
シャモニのフレジェールの前に立っているような、アルプス風の教会。
アルプスの3大花のひとつ、ジャンシアン。
左右や下にある、細かいお花のモチーフが
色もかたちも繊細でかわいくて特に好きです。

上下左右の茶色いハートや星みたいなお花の中に真っ白を刺したモチーフを見ると、
何故かクッキーのオレオを思い出してしまう、最近甘い物好きの私です。

一番上の山のモチーフは、どう見ても私の仕事場、シャモニの山塊です。
シャモニの谷の反対側の、ラックブラン辺りから見た景色です。
一番左のエギーユドヴェルトの次に来るのが、レ・ドリュなので、
より本物に近づけるために図案をアレンジして、よりいっそうとんがらせてみました。(笑)
そのあと右方向へ、奥にグランドジョラスの北壁、
その下にはメールドグラスがあるはずです。
そのあとは3つのシャモニ針峰群、グレポン・ブレティエール・プランと続き、
小さいのがエギーユドミディのつもりかな?
手前の標高の低いタキュルの方が高く見えてしまいますが、
本当はその奥の方にあるのが、
ヨーロッパアルプス最高峰の、まあるいモンブランの山頂なのです。
(...なんて、間違ってたら、もう山のガイドも失格ね...
オコタンペコさん いかがでしょう?(笑))

ここのところ、山とご無沙汰で、とっても山が恋しいです。
そんな時この作品を眺めては、ため息をついています。
私の作品の中で、思い入れが強くて、ランクの上位に入ります。




おまけ :
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これを刺している頃、
パリの店で、日本のちりめんの生地を売っていましたが、
その端切れで、針刺しなんかも作りました。
端切れの形をそのまま使ったので、こんな形になりました。
これは今も毎日使っています。

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by tchierisu | 2006-12-08 00:54 | クロスステッチ

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ROYAL PARIS キット   Au fil des objets シリーズ
『Le p'tit bricoleur』  33x25.5cm



次回発表の第4作を公式には刺し進めながら、
実はクマのいないパリでの晩に、せっせと秘密で、
彼の誕生日のサプライズの為に刺していたのがこれ。

クマは、地下のアトリエでいろいろ作業しながら過ごす、一人の時間が好きです。
フランス人はこうやって日曜大工をするのが得意のようです。
..と言うより、
人に頼むとえらく高くつくから、自分でやってしまえという発想からのようですが...。

日曜大工をする人(=BRICOLERする人)のことを「BRICOLEUR」と言います。
キットの ダイアグラムには1行で Le p'tit bricoleur と入っていますが、
これはクマへのプレゼントなので、
KUMACHAN BRICOLEUR と2行の言葉に入れ替えました。
そのため完成の寸法は縦がちょっと長くなりました。

最初キットについていたオブジェは3つの工具だけでしたが、
クマの地下での様子を再現するために、
パリのサマリテーヌなどで見つけた小さなオブジェを縫い付けました。
そのため、オリジナルにあった、かんなとかんなくずが無くなりました。
地下には暖炉用の薪やそれを割る斧もあります。
電話もあるし、ペンキや刷毛も。
当時クマはコカコーラをよく飲んでいました。
今ならサンペリグリノのボトルとなるところです。
くもの巣の隣、薬品のボトルがあったところに、置きました。
薬品は電話の隣、新しく作った左の棚に移しました。
くもの巣も実際アトリエにいっぱいあります。

キットのオリジナルの男の子の髪の色はもっと金髪だったのですが、
クマの髪の色に似せるために、
ずらーっと並ぶDMCの刺繍糸のディスプレーの前であれやこれや合わせてみて、
違う2色を1本づつ使う2本取りにしました。

オブジェがたくさんくっついているので、こんな箱タイプの額装にしてもらいました。

ずいぶん前から刺し始めたし、
「こんな大きな目のアイーダだから簡単」と、余裕で構えていましたが、
最後額装にするのに駆け込んで、その時どうしても3つ目の工具のオブジェが見当たらず、
しょうがなく、2つだけ付けて額装に出しました。
出来上がった後見つかって、今工具の一つは外に出たまんまで、
まるで、クマのアトリエの片付け忘れられた工具のようで、かえってリアルです。(笑)

本当は地下のアトリエに飾って欲しいのですが、
ホコリかぶっちゃうから...と言われて、寝室にあります。

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by tchierisu | 2006-11-16 00:59 | クロスステッチ

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DMCキット 「Cerises」 23x29㎝ アイーダ生地

クロスステッチの私の作品見てください!の第2弾です。
とんでもない笑える大間違いをした第1弾の4つのチューリップの次に手がけたのが、これ。

私に刺繍を教えた友人がまだフランスにいるうちに、
一緒に買いに行ったものだったと記憶しています。
そうだっけ?

うちが建っている土地は、以前はさくらんぼ畑で、
今もさくらんぼのできる桜の木が残っています。
毎年さくらんぼがたわわに生りますが、私は何故かこのさくらんぼのアレルギー。
10個も食べると目から涙、器官がゼエゼエ...とほほ 涙
収穫するため桜の木の下に行くだけでも苦しんでしまいます。
でも、火を通したお菓子なら大丈夫ということが分かり、
今うちの冷凍庫にはたくさんあります。
そうだ、近々さくらんぼのフランを作ろう!
季節はずれだからこそ、ありがたい。


話がそれました。
そんな苦しみのさくらの木ではありますが、それでも私にはかわいく、
このモチーフを選びました。
クロスステッチが中毒の頃だったので、
パリに通う電車の中でも、せっせと刺していた記憶が、今も残っています。
できあがって、今回は初めて モルトネにしてもらいました。
日本ではマットって呼ぶのかな?
中に綿が入っていて、盛り上がる仕立てです。
布の温かみが伝わってきて、とっても素敵ですが、
やっぱりほこりがかかって、だんだん汚くなってしまうのが玉にキズです。
今ではちょっと黄ばんできてしまっています。
誰もタバコは吸わないんだけど...。
なのでその後の作品は、全てガラスを入れた額装にしています。
なので私のモルトネタイプは今のところこれだけです。

今では、桜の木の窓の横の壁にかけられています。

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何故かアイーダ生地の目がうにうにしてしまっていますね、この写真。
作品の製作過程の写真って好きです。
出来上がったものはずーっと後でも実物を見れますが、
作っている最中のシーンは、記録しておくのに値すると思います。
本人の自己満足の世界ですけど。

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by tchierisu | 2006-10-25 20:48 | クロスステッチ

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DMCキット 「Les Tulipes」 13X35㎝ アイーダ生地 

以前「ご趣味は?」と聞かれれば、「音楽」とか「山歩き」であった。
しかし今は、立派に「クロスステッチ刺繍です!」と答えられる。
そうなった事の成り行きをお話しします。

4年前の秋。
東京の友人が転職前の長期休暇で、フランスに遊びに来ていた。
うちに来た彼女「やっぱりフランスは刺繍よね...」などとぶつぶつ言いながら
パリのBHVで買ったというクロスステッチのキットをちくちくやっている。
出来上がると枠がそのまま額になるという、かわいい猫ちゃんのモチーフである。
小学校の家庭科の時間に、ちょっと刺繍はやらされたものだったが、
それ以降、私はやったことがない。
彼女がやっているのを見ても
「なんてババくさい趣味?」と最初は笑っていた。
でもなんか一生懸命やっているので、しばらく見ていた。
そして「明日、そんなキット売ってる店があるから行ってみよう」ということになった。

翌日行ったのは、今流行の、手作りものの材料屋さん。
美術の画材もあるし、ビーズやモザイクのタイルなんかも売っている。
刺繍のコーナーに行くと、DMCという刺繍糸で有名なメーカーのキットがたくさんあった。
私もひとつやってみようか...という気が起こり、
あんまり難しそうでないのを選んで、29ユーロ払って買ってみた。
家に帰って開けて見ると、中には
アイーダというクロスステッチ用の布と針1本、29色のカラフルな刺繍糸がたくさんと、
ダイアグラムという図案とフランス語の説明書が入っていた。
説明をを読むと、まず布を4つに折って、真ん中の点に図案の真ん中が来る様に
そこから刺し始めると書いてある。なるほど。
友人が言うには
「何でもいいから、ばってんになるようにやっていけばいいのよ...」とのこと。
ふん、そんなもんか。
でも何本取りでやればいいのだろうか?
見てみると各糸に3とか4とか6とか数字が書いてある、これが刺す本数なのか?
何でもいいから試しにやり始めた。

スーッと糸が布を通る感じが快い。
糸が輝いてとても美しい。
何色か糸の色を変えて進んでいくと、だんだん絵画のようなモチーフが現れてくる。
まるで印象派の画家になったようだ。

でもなんかおかしい。
やたら分厚くできてしまって、色を変えても、他の色に埋まってしまってよく見えない。
刺すのも次第にきつくなってきて畳屋さんみたいになる。
いくらなんでも、こんなはずは無いだろう
?????
もう一度注意深く説明を読んでみた...。
!!!!!
そしてやっと間違えに気づいた。
全部2本取りでやるようだ。(爆)
もう一度ハサミで切ってやり直しだ。
でもすでにじゅうたんの様に分厚くなってしまった糸を切って解くのは容易ではなかった。
糸も大幅に足りなくなった。
そしてお裁縫屋さんに行って、同じ番号の糸を購入した。

今このエピソードを思い出すと、なんて馬鹿な間違いをしたものだと、あきれてしまう。(恥)
今だから笑えるので、書いてしまった。

この友人のお陰で、その後はすっかりクロスステッチにはまってしまった。
彼女滞在中、私が台所に立って、彼女が自分の刺繍を眺めていると、
「ずるい、刺繍をしないで、手伝え」
「刺してないのよ、次どこやるか見るだけもだめなの?」
「だめ!」
なんて場面もあった。
冬の寒い最中で、音楽もかけずに、暖炉の薪のはじける音と、
2人の刺繍糸が布を通る音だけが聞こえてきて
「静かね...」って言ったものだ。

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その時はじめたのがこの作品。


最初のひどい間違いは左から2番目のピンクの真ん中あたり。
解き終わったアイーダはよれよれだった。
その後、右に黄色、赤、最後に一番左の紫と進んでいった。
今でもピンクを見ると、目が揃ってなくて、初心者振りがうかがえるという
記念すべき1作目。
でも黄色~赤~紫に至っては、明らかに上達が認められる。
自画自賛の大いなる自己満足である。
私は絵心が全く無く、美術は大の苦手であった。
よくノートの端に落書きみたいに、でもすごく上手に絵を描いてしまうようなクラスメートに
羨望の眼差しを投げていたものだったが、
クロスステッチは、ダイアグラムに書かれた通りにひたすら忠実にやって行きさえすれば、
ひとつの自分の「作品」と呼べるものが出来上がる。すごい。
額装をお店に頼んで、出来上がって、壁に飾った時は
いっぱしのアーティストになった様で、生まれてはじめて味わうも感動であった。

その後日本に帰った友人から
「Tchierisuさんみたいなきちんとした性格の人に向いているわよね、これ」とおだてられ、
ますます熱が上がった。
アドリブとかアレンジとかのセンスが全く無い私に向いていると自分でも思う。
その頃はパリとオルレアンの2重生活で、
行き帰りのSNCFの中や、パリの狭いステュディオでも夜な夜な、
寸暇を惜しんでチクチクやったものだ。

仕事が始まった東京の友人の話では、
「猫ちゃんのあとに...」と私のチューリップと一緒に買って、
フランスで刺し始めたDMCの4つのティーポットのキットが、
1本取り、1目ずつ、白だけがビヤーっと続く様な所もあって、
忙しい生活ではなかなか捗らずにいるということである。
「やっぱり刺繍はフランス」なのだそうである。
確かに、最低1時間半くらいは落ち着いてじっとできないと、
クロスステッチは面白くないかもしれない。

そうそう、その友人が猫ちゃんのキットを、他の友人宅で朝から刺していると、
そこのお母さんに、
『みんな~。OO(彼女の名前)はもう働いているわよ~』と言われたそうである。
そう、刺繍は仕事なのである。
私は一時パソコンのゲームに熱中したことがあった。
トゥームライダーのララ・クラフトが私のアイドルである。
徹夜になるまでやってしまう熱中度や、
何もしないでそんなことばかりしているという罪悪感度は、
私にとって、今の刺繍も当時のパソコンゲームと同じものである。
でも他人はそうは見ていないようである。
ゲームはJOUER=プレイという動詞で、遊んでいると扱わわれる。
でも私も刺繍をしていると、「えらいわね、仕事している」とフランス人は扱ってくれて、
私にとっては同じ快楽なのに、ゲームとは大違いである。
偉い人になったみたいで、こちらの方がずいぶんと肩身が広い。
ちなみにブログなんかのパソコンも、割と良いことだとは思われず、
クマは私がパソコンじゃ無くて、刺繍をやって、それが捗っているのを認めると、
褒めてくれて、機嫌がよくなる。

ミクシィのクロスステッチ・マニアックというコミュニティに参加している。
目からうろこのテクニックや、
フランスではあまりお目にかかれないキットなども紹介されて、とても興味深い。
『クリスマスものをイヴまでに仕上げて写真発表をしよう』というイベントにも参加して、
現在、焦って『爆刺こく』日々である。(コミュのどなたかが使っていたマイブームの台詞)
そこで出会った方々にたくさん足跡を残している。
また、その方達が私のところに足跡を残してくださっている。
きっと私の作品を見に来てくださったのだろう。
でも今まであまり作品を発表できていなかったので、
今回のこの1作目から始まって、これから折々見せびらかして行きたいと思う。
どうぞよろしくお付き合いくださいませ~。

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by tchierisu | 2006-10-17 05:38 | クロスステッチ