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やっぱり猫も好き

 
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本当はAUKIMIの紹介よりも先に登場させたかった、ラッキーちゃんです。
最近の私の生活は、にわかに犬付いてますが、
東京で親元離れて暮らしていた頃より、猫ちゃん達には癒され慰められて、
大変お世話になってきました。
私って実はどっぷり猫派です。
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しかし、子猫ってどうしてこんなにかわいいんでしょう?
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ここで、ラッキーがどうして我が家に来たのかをお話します。

3年前の7月のある日「やけに鳥の声がやかましいな」と庭に出ると、隣の敷地の、当時はまだ洋ナシ畑だったあたりでどうやら騒ぎがあるらしい。
近づいてみると洋ナシの木の中腹に、なんと子猫ちゃんが生っていました。そこまで登って自分では降りられなくなってしまったらしく、私のことを悲しそうにじーっと見つめています。
茶色と黒のタイガーちゃんです。小さなお鼻に傷を作って、なんてかわいいんでしょう。
畑に廻って行って連れて来て、ミルクを与えて...
その晩、子猫ちゃんは怖がって家の中には入らず、丁度入れる外の小さな穴で寝ていましたが、結構朝晩冷えるので、ちゃんと生きてるかと、翌朝クマと見に行くのはおそるおそる。
夏の初めには、バカンスに出かける人が、連れて行けないペットを田舎に捨てに行くことがよくあるそうで、この子もきっとそんな不甲斐ない人に、オルレアンの町からここまで連れて来られたのかもしれません。もしそうならこの子は、他の生き物の餌食になったり、車に惹かれたりせず、ラッキーだったね?
でも、こんなにかわいい子だから、もしかしたら全く違って、近所の人が必死で探しているかもしれません。うちに入れたり、名前をつけたりしてかわいがり過ぎると、もし飼い主さんが現れて返す時、とても辛くなるので、なるべく情が移らない様にようにしていました。

そうこうして、10日あまりが経ちました。
その間、だんだん大きくなる猫ちゃんの身体に対して、ねぐらの入り口の穴が小さくなってきたのをクマがのこぎりで大きくしたり、穴のある箱の上に雨除けをつけたり、毛布を入れたり、2人で大騒ぎで面倒見て、しっかり情は移りっぱなし。

そんなある日、お隣がバカンスから帰ってきました。
外で猫ちゃんと一緒にいる私の姿を認めて、隣のお嬢さんが「!」とこっちを見ました。
やっぱり!どうやらお隣の猫ちゃんだったようです。
お隣には白黒とトラの2匹のメス猫がいるのは知っていましたが、子猫もいたの?
後から聞いた話によると、以前から近所を徘徊しているここらのボスのオス黒猫が、お隣の両方のメスと仲良くなって、3日空けずに2回のお産、いっぺんに9匹の子猫が生まれたのが5月始めのことだったとか...。その後、数匹は里子に出しましたが、トラの子猫はママにそっくりでかわいかったので、そのまま手元に残しておいたのだそうです。でもトラママちゃんがどうも母性本能に欠けていて、子猫の面倒を一生懸命見ない。確かに、ママと一緒にお散歩に出た子猫ちゃんが帰ってこなくても、うちに探しになんか来なかったね~。

数時間後、隣のお嬢さんがうちに来ました。
とうとう返さなければいけない時が来てしまった。
『お隣だしまた会えるよね、遊びに来てね。(涙)』
そう心の中で猫ちゃんに言いながら、扉を開ける。
とっても悲しくて涙がこぼれそう!
でも、その後の隣のお嬢さんの言葉は予想外のものでした。

「うちにはまだ他にもらい手のない子猫がいて大変なので、
もし気に入っていらっしゃるなら、この子のこと、飼ってあげてくれませんか?」


耳を疑いました...というか、あまりの予想外の返答で、フランス語の理解力に自信が無くなり、クマにもう一度説明してもらった程でした。
えっ!ほんと!いいの?
今度はうれしくて、本当に涙が出ちゃいました。
ラッキーだったのは猫ちゃんじゃなくて、私でした。
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こうして、縁あって、私のところに来てくれたラッキーちゃん。
獣医さんのところに連れて行って、ワクチンを打って、
9ヶ月になった時は去勢手術もしました。
ママの違うお隣の白黒猫の義兄弟と、いつもつるんで遊んでいました。
時にはうちのソファーの上に2匹一緒に寝ていたり。
ラッキーはうちにその兄弟を招待してご馳走したりしているようです。
ある日ちょっと意気込んで、
「オタクの白黒ちゃんうちでご飯食べてますよ!」
とお隣に言うと、
「お宅のトラちゃんもうちでご飯食べてますよ、仲良いですね」 ですって!
大変失礼いたしました。
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ラッキーの趣味は狩猟。きっとパパの血でしょう。
獲った獲物は必ずうちに持ってきて見せびらかします。
ねずみの場合は、生殺しで、ひとしきり家の中で遊んで弱って動かなくなると、
バリバリ音立てて頭から食べてました。ひえ~!
苦くてまずいのか、証拠としていつも肝臓だけが残って部屋の真ん中に落ちています。
朝その上を知らずに踏んじゃったり...とほほです。
鳥の場合はそこらじゅう羽だらけ。
ねずみの時も鳥の時もトカゲの時も、部屋中血だらけになっていたりします。

よく2日・3日は留守にすることのあるラッキーでしたが、
一昨年の夏、私が1ヶ月仕事で家を空けた際は、
家にはクマがいたにもかかわらず、15日間帰ってきませんでした。
あの時はもうどこかでのたれ死んでしまったと思いましたが、
ケロッとした顔で帰ってきました。
そんな彼ですから、犬のAUKIMIが来たら、
ふてくされて、どこかに行って帰ってこなくなってしまうのではと、最初はとても心配で、
やっぱり犬は飼うのは辞めようと思った程でした。
でも驚いたことに結果は全くその逆。
自分の居場所を盗られてはならじと、ラッキーは毎日家にいるようになりました。
最近こそAUKIMIに慣れて、外泊するようになりましたが、
ご飯はしっかり食べに帰ってきて、長い旅はしなくなりました。

野生の生ものを食べるので、回虫が普通の子よりも頻繁に現れ、
虫下しを2~3ヶ月に1度は飲ませなければなりません。
皮膚が弱くて、のみに食われた後が湿疹になって、
獣医さんでもらったクリームをお尻の穴に付けたりします。
キャットフードのランクを上げたら、湿疹にならなくなったように思います。
ラッキーちゃんの健康のためだったら、高いキャットフードを買うのも厭いません。
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犬は厳しくしつけなければ...と思う私も(思うだけでなかなかできない)
猫は文字通り『猫かわいがり』。
あんなにかわいかった子猫時代とはうって変わって、
いまやすっかりオヤジ顔のラッキー。
身体のサイズはお隣の、トラの毛並みはそっくりのママより一回り大きく
冬場には体重6キロ。
いつもうけ狙いとしか思えない場所に入り込んでは私を笑わせて、茶目っ気たっぷり。
やっぱり ミニョンミニョン(mignon mignon)なのです。

by tchierisu | 2006-10-05 23:28 | LUCKY・猫